荒木(清水)伸子当会前共同代表が、要望書呼掛け者の一人となっている「新国立競技場建設の再考を求める要望書」に、多くの方に賛同頂きました。締切り直前のブログアップ、大変恐縮でした。
幸い、「東京新聞」等が報道頂いています。様々な立場から、様々なご意見があるものと思います。当会の活動の一つの指針である、「熟議」を尽くすことでより良い選択肢に収斂されるものと思います。(WEB担当)
要望書の呼びかけと提出主催者は、「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」
http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/index.html
関連報道
「東京新聞」2013年11月17日 朝刊
床面積2割減どまり 新国立競技場 デザイン維持
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111702000126.html
「東京新聞」2013年11月9日 朝刊
設範囲大きく超過 新国立競技場デザイン
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013110902000134.html
「朝日新聞digital」2013年11月10日05時43分
新国立競技場、年度内に着手 補正に230億円見通し
http://www.asahi.com/articles/TKY201311090617.html
「朝日新聞digital」2013年11月9日00時50分
新国立競技場、総工費1852億円 文科省が都に提示
http://www.asahi.com/articles/TKY201311080497.html
「毎日新聞」2013年11月08日 07時06分
新国立競技場:JSCや国、精密な試算怠る
http://mainichi.jp/select/news/20131108k0000e040165000c.html
Wikipedia「新国立競技場」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E7%AB%B6%E6%8A%80%E5%A0%B4
「要望書」再掲(テキスト)
お読み頂けると幸いです。
要望書案
平成25年11月25日
内閣総理大臣安倍晋三様
文部科学大臣下村博文様
東京都知事猪瀬直樹様
独立行政法人日本スポーツ振興センター
理事長河野一郎様
神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
共同代表:大橋智子・大橋智子建築事務所
上村千寿子・景観と住環境を考える全国ネットワーク
清水伸子・景観と住環境を考える全国ネットワーク
多田君枝・「コンフォルト」編集長
多児貞子・たてもの応援団
日置圭子・地域文化企画コーディネーター・粋まち代表
森 桜・アートコーディネーター・森オフィス代表
森まゆみ・作家・谷根千工房
山本玲子・全国町並み保存連盟 吉見千晶・住宅遺産トラスト
e-mail info@2020-tokyo.sakura.ne.jp
FAX 03-6380-8812
新国立競技場の建設再考のお願いについて
秋も深まり、貴台におかれましてはますますご清祥のことと存じ上げます。
さて2020年のオリンピック・パラリンピックの会場となる新国立競技場の建設が建築家のみならず広範な論議をよんでおります。
私達は市民の立場から、オリンピックが国際平和と地球環境の未来に寄与することを望むとともに、私達の税金をもって建設される国立の競技場について質問と意見を申し上げます。
当該地・明治神宮外苑(新宿区霞ヶ丘町一番一号)は都心の緑豊かなところで、明治神宮、新宿御苑にも近く、赤坂御所に隣接し、都の風致地区第一号に指定されております。
大正6年、明治神宮は青山練兵場跡地に明治天皇の業績を残すために造営され、つづいて陸上競技場、水泳場、相撲場などが作られ、わが国のスポーツ発展の牽引力となってきました。明治神宮体育大会(現在の国体)、六大学野球、開かれなかった1940年のオリンピック、1943年出陣学徒壮行会、一時米軍に接収された国立競技場、戦後の復興、自転車練習場、1964年の東京オリンピックなど、たくさんの歴史と悲喜こもごものエピソードが刻み込まれ、それは都民・国民の個々人のかけがえのない記憶ともつながっています。
また聖徳記念絵画館(重要文化財)を正面にする銀杏並木は、東京で最も美しい並木道として都民の憩いの場となっております。この景観と歴史の痕跡はけっして壊してはならないものです。
しかし昨2012年の独立行政法人日本スポーツ振興センターのコンクールで最優秀とされた案にはさまざまな問題点のあることを指摘せざるを得ません。
質問
そこで以下、7項目について、ご回答をお願いいたします。
1、風致地区の15メートルという高さ規制を逸脱した70メートル超のものであること。都の都市計画審議会は、この規制緩和について市民に開かれたなかで十分論議を尽くしたのでしょうか?計画案の縦覧及び住民公聴会等の計画段階における情報公開の経緯をお示しください。
2、最優秀案は1300億円というコンクールで与えられた条件をクリアしていません。「1964年の東京オリンピックの遺産を活用しコンパクトな五輪を目指す」という公約と矛盾しないでしょうか?縮小の予定もあるそうですが、どの部分を縮小するのか、1300億円の予算が1800億円に膨らむそうですが、その増える500億円分の内訳をご説明ください。
3、11ヘクタールの土地に29万平米という余地のない状態で、災害時の8万人の観客の誘導、またパラリンピックの際の車椅子の方などの入退場、災害時の誘導計画を御示しください。
4、現在の都営霞ヶ丘住宅に住んでいる住民に移住を強要する計画であること。オリンピックのために、市民の生活に大きな変化を強制することについて十分な議論はなされたのでしょうか?
5、東日本大震災の復興と福島原発事故収束が目下の国の最優先課題であることは論を待ちませんが、建築資材、職人の払底のなかで巨大新競技場建設はその阻害要因にならないでしょうか?
6、8万人収容のスタジアムがオリンピック後、どのように有効活用されるのか、見通しがあきらかでないこと。人口が縮小に向かう今日、建物の運営やメンテナンスを含め、未来世代への巨大なツケにならないでしょうか?毎年のランニングコストの試算をお示しください。
7、また日本スポーツ振興センターは、2010年度に現在の国立競技場を補強・改修して使い続けることを検討し、久米設計に調査を委託したところ、700億円という試算が出たと報道されています。この内容の公開をぜひともお願いいたします。また、当該改修案と今回の新設案の比較において、需要予測・採算性・B/Cの試算等の審議結果、検討結果を公表してください。
要望
都民・国民である私達は、神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたすために
「1964年の競技場を改修・リデザインして、風致地区とその景観を守るとともに、「もったいない」という物を大事にする日本の美風、江戸からのリデュース、リユース、リサイクルの伝統を世界にアピールする、環境にローインパクトな国立競技場計画」を要望します。
そのほうが緑を減らし、空を狭くする巨大なボリュームの当選案の実現よりも、はるかに「クール・ジャパン(かっこいい日本)」であると思われます。
現競技場に、仮設スタンドなどを加え、職人の手技をつたえる聖火台も残し、改修・再利用することで、大幅なコストダウンはもちろん、東京で2度目の五輪を開催することのメッセージをスマートに世界に打ち出せるのではないかと思います。いみじくもコンクールの審査委員長安藤忠雄氏がいわれたように、競技場は広く市民の論議をふまえ、みんなに愛され、オリンピック後も活用されるものでなければなりません。
貴台におかれましては、新国立競技場計画をぜひとも再考していただきますよう、賛同者名簿を添えてお願い申し上げます。
[新国立競技場|NEW NATIONAL STADIUM JAPAN]
幸い、「東京新聞」等が報道頂いています。様々な立場から、様々なご意見があるものと思います。当会の活動の一つの指針である、「熟議」を尽くすことでより良い選択肢に収斂されるものと思います。(WEB担当)
要望書の呼びかけと提出主催者は、「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」
http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/index.html
関連報道
「東京新聞」2013年11月17日 朝刊
床面積2割減どまり 新国立競技場 デザイン維持
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111702000126.html
「東京新聞」2013年11月9日 朝刊
設範囲大きく超過 新国立競技場デザイン
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013110902000134.html
「朝日新聞digital」2013年11月10日05時43分
新国立競技場、年度内に着手 補正に230億円見通し
http://www.asahi.com/articles/TKY201311090617.html
「朝日新聞digital」2013年11月9日00時50分
新国立競技場、総工費1852億円 文科省が都に提示
http://www.asahi.com/articles/TKY201311080497.html
「毎日新聞」2013年11月08日 07時06分
新国立競技場:JSCや国、精密な試算怠る
http://mainichi.jp/select/news/20131108k0000e040165000c.html
Wikipedia「新国立競技場」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E7%AB%B6%E6%8A%80%E5%A0%B4
「要望書」再掲(テキスト)
お読み頂けると幸いです。
要望書案
平成25年11月25日
内閣総理大臣安倍晋三様
文部科学大臣下村博文様
東京都知事猪瀬直樹様
独立行政法人日本スポーツ振興センター
理事長河野一郎様
神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
共同代表:大橋智子・大橋智子建築事務所
上村千寿子・景観と住環境を考える全国ネットワーク
清水伸子・景観と住環境を考える全国ネットワーク
多田君枝・「コンフォルト」編集長
多児貞子・たてもの応援団
日置圭子・地域文化企画コーディネーター・粋まち代表
森 桜・アートコーディネーター・森オフィス代表
森まゆみ・作家・谷根千工房
山本玲子・全国町並み保存連盟 吉見千晶・住宅遺産トラスト
e-mail info@2020-tokyo.sakura.ne.jp
FAX 03-6380-8812
新国立競技場の建設再考のお願いについて
秋も深まり、貴台におかれましてはますますご清祥のことと存じ上げます。
さて2020年のオリンピック・パラリンピックの会場となる新国立競技場の建設が建築家のみならず広範な論議をよんでおります。
私達は市民の立場から、オリンピックが国際平和と地球環境の未来に寄与することを望むとともに、私達の税金をもって建設される国立の競技場について質問と意見を申し上げます。
当該地・明治神宮外苑(新宿区霞ヶ丘町一番一号)は都心の緑豊かなところで、明治神宮、新宿御苑にも近く、赤坂御所に隣接し、都の風致地区第一号に指定されております。
大正6年、明治神宮は青山練兵場跡地に明治天皇の業績を残すために造営され、つづいて陸上競技場、水泳場、相撲場などが作られ、わが国のスポーツ発展の牽引力となってきました。明治神宮体育大会(現在の国体)、六大学野球、開かれなかった1940年のオリンピック、1943年出陣学徒壮行会、一時米軍に接収された国立競技場、戦後の復興、自転車練習場、1964年の東京オリンピックなど、たくさんの歴史と悲喜こもごものエピソードが刻み込まれ、それは都民・国民の個々人のかけがえのない記憶ともつながっています。
また聖徳記念絵画館(重要文化財)を正面にする銀杏並木は、東京で最も美しい並木道として都民の憩いの場となっております。この景観と歴史の痕跡はけっして壊してはならないものです。
しかし昨2012年の独立行政法人日本スポーツ振興センターのコンクールで最優秀とされた案にはさまざまな問題点のあることを指摘せざるを得ません。
質問
そこで以下、7項目について、ご回答をお願いいたします。
1、風致地区の15メートルという高さ規制を逸脱した70メートル超のものであること。都の都市計画審議会は、この規制緩和について市民に開かれたなかで十分論議を尽くしたのでしょうか?計画案の縦覧及び住民公聴会等の計画段階における情報公開の経緯をお示しください。
2、最優秀案は1300億円というコンクールで与えられた条件をクリアしていません。「1964年の東京オリンピックの遺産を活用しコンパクトな五輪を目指す」という公約と矛盾しないでしょうか?縮小の予定もあるそうですが、どの部分を縮小するのか、1300億円の予算が1800億円に膨らむそうですが、その増える500億円分の内訳をご説明ください。
3、11ヘクタールの土地に29万平米という余地のない状態で、災害時の8万人の観客の誘導、またパラリンピックの際の車椅子の方などの入退場、災害時の誘導計画を御示しください。
4、現在の都営霞ヶ丘住宅に住んでいる住民に移住を強要する計画であること。オリンピックのために、市民の生活に大きな変化を強制することについて十分な議論はなされたのでしょうか?
5、東日本大震災の復興と福島原発事故収束が目下の国の最優先課題であることは論を待ちませんが、建築資材、職人の払底のなかで巨大新競技場建設はその阻害要因にならないでしょうか?
6、8万人収容のスタジアムがオリンピック後、どのように有効活用されるのか、見通しがあきらかでないこと。人口が縮小に向かう今日、建物の運営やメンテナンスを含め、未来世代への巨大なツケにならないでしょうか?毎年のランニングコストの試算をお示しください。
7、また日本スポーツ振興センターは、2010年度に現在の国立競技場を補強・改修して使い続けることを検討し、久米設計に調査を委託したところ、700億円という試算が出たと報道されています。この内容の公開をぜひともお願いいたします。また、当該改修案と今回の新設案の比較において、需要予測・採算性・B/Cの試算等の審議結果、検討結果を公表してください。
要望
都民・国民である私達は、神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたすために
「1964年の競技場を改修・リデザインして、風致地区とその景観を守るとともに、「もったいない」という物を大事にする日本の美風、江戸からのリデュース、リユース、リサイクルの伝統を世界にアピールする、環境にローインパクトな国立競技場計画」を要望します。
そのほうが緑を減らし、空を狭くする巨大なボリュームの当選案の実現よりも、はるかに「クール・ジャパン(かっこいい日本)」であると思われます。
現競技場に、仮設スタンドなどを加え、職人の手技をつたえる聖火台も残し、改修・再利用することで、大幅なコストダウンはもちろん、東京で2度目の五輪を開催することのメッセージをスマートに世界に打ち出せるのではないかと思います。いみじくもコンクールの審査委員長安藤忠雄氏がいわれたように、競技場は広く市民の論議をふまえ、みんなに愛され、オリンピック後も活用されるものでなければなりません。
貴台におかれましては、新国立競技場計画をぜひとも再考していただきますよう、賛同者名簿を添えてお願い申し上げます。
[新国立競技場|NEW NATIONAL STADIUM JAPAN]